2016/06/03

置き去り男児発見

小学生のころ、自宅でテレビを見ながら食事していたら、父に外に引きずり出された。理性のない奴に関わっても無駄と思い、真っ暗な夜の中、すぐに裸足のままとことこ歩き始め、公民館の敷地で数時間過ごした。怖くも悲しくもなかったし、冷静に安全な場所を選んで休んでいた。懐中電灯を持った警備員が敷地を見回りに来たけど、私は物陰に隠れていて見えなかったようで、通り過ぎて行った。眠くなったのでまたとことこ歩いて家に帰ると、父が車で探し回っているところだった。父は「帰ったのか。」と一言だけいい、その後は何事もなかったかのように過ごした。そのことはほかの家族も誰も知らない。

という昔のことを、置き去り男児発見のニュースを見て久しぶりに思い出した。子供が案外元気なのは、不思議なようで意外ではないようにも思う。感情的になったりパニックになったりするのは大人のほうだから。子供にとっては、捨てられたから過ごせる場所を見つけた、為す術がないから仕方なかっただけなのだろう。しかし、世界中がトップニュースで報道しているとは、珍しいことなのかな。欧米なら親は罰せられて子供は引き離されるのかも。大掛かりな捜索にはなったけど、こういうことよくあるよね…。

私は、躾のつもりで罰を与えるのは間違っていると思う。ただ親の都合に合わせてほしいから従わせようとするけど、子供は小さくて力がないから仕方なく諦めて従っているだけで、納得して従っているわけではない。子供は反論しないから、親は自分の言うことが常に正しいと思いがちだけど、子供はまだ言葉が上手くないだけで親の言う矛盾は感じている。私が少し反論できるようになると、親は「親だから正しいんだ」としか反論できず、何の正論も言えないのでバカにしか見えなかった。